Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「形勢逆転。油断大敵」

「うるせ……」

「何だ。まだ喋れるんだ」

心なしか、楽しそうに見える。
ゆっくり近付いてくる。
手には大鎌。

その姿は、どう見ても命を刈り取る死神にしか見えない。

正紀は殺されるかもしれない、と言う恐怖を覚えた。

「怖がってるの?」

「ハッ!まさかな!」

正紀は立ち上がり、レンの腹に蹴りを入れた。
そして、落とした拳銃を拾う。

レンを睨む目は、怒りに満ちていた。

レンが目を丸くし、驚いた顔を見せる。

「怒ってるのか……」

「その通り。俺は今、凄く腹が立ってる」

「それは……オレが正紀をバカにしたから?」

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