Anathema Reaper-呪いの収穫者-

よそ見をした隙に、レンが正紀の首を掴む。
そのまま、壁へ押し付けた。

「ぐはっ……」

再び壁に頭を激しく打ち付ける。
首に伸びた手は、徐々に力が加わっていく。

「……甘い。どこぞの焼きプリンよりも甘い」

「つか、焼きプリンって甘さ控え目だろ」

「そう言う問題じゃない」

キリキリと正紀の首を絞めていく。
正紀はレンの腕を掴み、必死に抵抗する。

首を絞めるレンは、どこか寂しそうな表情をしていた。

「……残念だ。こんな相手、鎌でスッパリ殺る資格も無い」

「ぐっ……」

答えることができない。
息をするのに精一杯だ。
正紀は苦しそうに目を閉じた。

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