Anathema Reaper-呪いの収穫者-



「……はっ!!」

廉は勢いよく身体を起こした。
その途端、リュカと正紀が身構える。

二人は廉から離れたところに立っており、明らかに彼を警戒していた。

「なっ……何だよ!!」

状況が掴めない上に、距離を置かれている。
廉は周りを見回した。

「どこだ……ここ」

さっきまで、何もない水の中にいたハズだ。
それが急に薄暗い、大きな部屋へと場所が変わっている。

訳も分からず、廉は頬っぺたを引っ張った。

「どうやら、成功みたいね」

リュカが廉の側に寄り、ペタリと座る。
その顔は憔悴しきっていた。

「何が起きたんだよ?全然分かんないんだけど」

口を尖らせ、リュカを見つめる。
彼女は少し安心したように微笑んだ。

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