Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「これで何もかも元通り!怖いものなんて無いわ!」

「っ……」

今まで笑顔だったカトレアの顔が、小さく歪む。
そして、彼女は吐き捨てるように言った。

「天使の加護……緋の石板……忌々しいわ」

「あ?何だって?」

意味が分からず、廉は間抜けな声で聞き返す。
廉の頭を、リュカがひっぱたいた。

「アナタは知らないでしょうけど……石板を使って、レンの力を一時封印したの」

「ほへー」

「因みに、その石板はアナタが初めて悪霊を倒したときに出てきたものなの。覚えてるかしら?」

「まぁ、うっすら……」

十時の方向など言われ、全く意味を理解していなかった時の事だろう。

廉は困ったように頭を掻いた。

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