Anathema Reaper-呪いの収穫者-

彼女はもう一度廉の方を向く。
そして、彼の頬をそっと触った。

「傷の治療。私が直接触れることによって、悪魔の力を増大することができるんじゃないかって思ったの。
読みは当たったわ。

そして、廉くんの心に入り込む。
アナタと私の関係が密接になるにつれ、より強力な、ちゃんと人格を持った悪魔が生まれる」

カトレアは手を離し、廉の手を取った。
廉を見る目は、恍惚の色を帯びている。

「全ては私の為。それとレンの為だった。
別に、アナタを心配してやった訳じゃない。アレは全部演技だったの」

「……」

何も言わない。
何も言えない。

彼は真実を告げられ、もう何も信じられなくなっていた。

< 285 / 331 >

この作品をシェア

pagetop