Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「人ってちゃんと罪を償えば、来世に転生できるんでしょ?
アナタが刈ったところで、私の命は終わったりなんかしない。
現世が終わるだけで、また来世で復活できるんだから」

「カトレア……」

廉が悲しそうに呟く。
彼女は小首を傾げた。

「それにね、こんな時に備えて私なりの"魔法"を掛けてきたから大丈夫。
だから、早く首切って。魔法が解けないうちに」

「……」

諦めがついたのか、やたらと潔い。
廉は立ち上がり、鎌を構えた。

「やっぱりやらなきゃダメなのかな?」

「ダメ。ここまで来ちゃったんだもん。引き返せないわ」

この言葉を言われるのは三度目だ。
廉は震える手を押さえ、鎌に力を込める。

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