Anathema Reaper-呪いの収穫者-
*
辺りが暗い。
と言うより、黒い。
自分の踏みしめている床が、やけに明るく感じる。
廉は辺りを見回した。
いつも来ている場所と変わらない。
もう足元に水は流れていなかった。
「どこだー!」
大声を出す。
周りに反響し、自分の声が跳ね返ってきた。
武器も何もない。
夢かと思い、頬をつねる。
痛いんだか痛くないんだか、よく分からない。
廉は歩いた。
いくら歩いても、終わりが見えない。
床は明るく輝き、廉の歩く道を照らしている。
やがて、彼は足を止めた。
目の前に、大きな円上の床が現れる。
その中心に、ポツンとレンが佇んでいた。