Anathema Reaper-呪いの収穫者-



辺りが暗い。
と言うより、黒い。

自分の踏みしめている床が、やけに明るく感じる。

廉は辺りを見回した。

いつも来ている場所と変わらない。
もう足元に水は流れていなかった。

「どこだー!」

大声を出す。
周りに反響し、自分の声が跳ね返ってきた。

武器も何もない。
夢かと思い、頬をつねる。
痛いんだか痛くないんだか、よく分からない。

廉は歩いた。
いくら歩いても、終わりが見えない。

床は明るく輝き、廉の歩く道を照らしている。

やがて、彼は足を止めた。

目の前に、大きな円上の床が現れる。

その中心に、ポツンとレンが佇んでいた。

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