Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「だっ……」

『ぶっちゃけ、オレには《心》って言うものが無いらしいし。彼女が死んだときも、あんまり思わなかった』

「じゃあ何でさっきはあんなこと?」

『人間だったら、こう言うこと言うだろうなって』

レンは小さく笑った。
その姿に、廉は少し同情する。

『同情とかいらない』

「ごめん……」

思わず謝る廉。
そして、彼は首をかしげた。

「そう言えば、何でオレこんな所にいるの?」

『オレが呼んだから』

「まぁ、そりゃあそうだけど……」

困ったように頭を掻く。
レンは楽しそうに、彼に尋ねる。

『ここがどこだか分かる?』

「……はい?」

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