Anathema Reaper-呪いの収穫者-

こんな下らない漫才を繰り広げている場合ではない。
そして、こんなことをしている余裕もない。

鎌を持つ手が震える。
力が入らない。

『出血多量か。このまま放っておいても消えるな』

「うるせー!オレはなぁ……お前なんかに負けるわけにはいかねーんだよ!」

廉が鎌を構える。
それと同時に、どこからかリュカと正紀の声が聞こえた。

「――純粋なる者、加護を受け、真の力を発揮する」

廉の鎌のサファイアが光る。

「――貴よ、彼に秘められし力を解放せよ!!」

サファイアが光を増す。
廉は力を振り絞り、レンの所へ駆けていく。

「いっけえええぇぇぇ!!」

二人の声が響く。

「うおおおおらっ!!」

廉はレンに向かって思い切り鎌を振った。

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