Anathema Reaper-呪いの収穫者-



辺りに訪れるのは静寂。

リュカは額の汗を拭い、正紀は未だに肩で息をしている。

詠唱が終わった後、廉の身体を青い光が包んだ。
それ以来、全く反応がない。

二人は心配そうな面持ちで廉を眺めていた。

その時、廉がピクリと動く。

「廉!!」

二人が叫ぶ。
廉は、うっすらと目を開けた。
正紀が彼の頭を支える。

「大丈夫かよ!?」

「……ぅ……」

何か言いたそうにしている。

「ゆっくりでいい。言いたい事があるなら、何でも言え」

「……ぁー……ぅー……」

「何だって?」

よく聞こえない。
正紀は彼の口元に耳を寄せた。

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