Anathema Reaper-呪いの収穫者-
「……プリンが……食べたい……」
「ふざけんな」
何を言うと思えば、そんな下らないこと。
力の抜けた廉の頭を、正紀がひっぱたいた。
途端に廉が飛び起きる。
「いってぇな!!」
「なんだ。心配する必要ねぇじゃん」
「失礼な!ってか、何でも言えっつったのお前だろ!」
廉がポコポコと怒り、殴られた頭をさする。
その様子を見たリュカが小さく笑った。
「何だよ」
「いや、別に。何でも無いわよ」
リュカが笑いを引っ込める。
そして、真剣な顔で口を開いた。
「あの……ごめんなさい!!私――」
「いいよ、別に。もうなんか全部終わったし。オレは別に後悔してないし」
リュカの言葉を遮り、廉が優しく微笑む。
彼女も安心したように笑い返した。