Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「何コレ?」

「本」

「それは見れば分かるって」

廉はそれをパラパラとめくる。
そして、表紙の裏に栞を挟んだ。

「イギリス四兄弟が奮闘するファンタジー。何かアイツも読んでた気がする。
栞が入ってたってことは……取り敢えず、お前も本読めって事だろ?」

「なるほど……」

本を閉じ、何となく窓の外を見る。

外は青く澄み渡っていた。
何だか心地よくなり、廉は欠伸をした。

遠くで光る何かが見える。

「……何だ?」

廉は目を擦り、それを凝視した。
光る何かは、こっちに向かって突っ込んでくる。

「え!?ちょっ……」

避ける間もなく、廉と何かが衝突する。
あまりの勢いに、廉は尻餅をついた。

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