Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「いってぇ……」

おでこをさする。
正紀が眉間にシワを寄せ、眼鏡を押し上げた。

「大丈夫か?」

「うん……蜂にでもぶつかったのかな?」

目線を横に向ける。
そこには、廉とぶつかった何かがひっくり返っていた。

思わず廉の目が丸くなる。

「り、リュカ!?」

ひっくり返っていた何かは、腰をさすりながら立ち上がった。
そして目を吊り上げて廉を見る。

「何であんなところにいるのよ!?」

「そりゃあこっちのセリフだよ!!何でこんなところにいるんだよ!?」

これでは数日前の感動的な別れがパアだ。
リュカは顔をしかめ、小さくため息をついた。

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