Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「じゃあ、オレは……」

「そうね。もうしばらく、遠くへ行くことを我慢しなければいけないわ」

「そんな……」

耐え難い事実に項垂れる廉。

廉にかけられたモノ。
それは、この街を出られないと言う呪いだ。

一歩でも外に出ようものなら、心臓を鷲掴みされたような激痛が走る。

そのせいでここ数ヵ月、市外に出たことがない。
幸い、学校と家は市内にあるため、生活に支障が出るわけでもない。

しかし、やはり遠くへ遊びにいけない事は、廉にとってストレスとなっていた。

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