Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「まだ意思があるかも知れないのに!?」

「そんなの、オレの知ったこっちゃない」

「廉!」

半分叫ぶようにして、廉の名前を呼ぶ。
廉は振り向き、リュカの事を見た。

廉の光の無い、虚ろな目がリュカの瞳に写る。

その瞬間、隙を見た女子生徒が廉を押し、その場から逃げていった。
追いかけるでもなく、静かに彼女の背中を見送る廉。

「ちょっと!?」

リュカの止める声を背中に聞きながら、彼もその場を去っていった。

一人取り残されたリュカ。
彼の中に何が起きているのか、全く理解できない。

彼女は眉をひそめ、廉の背中を追いかけていった。

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