Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「お前さ、その顔どうしたんだよ?」

「え?何が?」

正紀が首を傾げながら訊いてくる。
廉は目を擦った。

「オレの顔、何か変?」

「いつも以上に不細工だ」

「何だとコラァ!」

声が大きくなり、教壇に立っている担任に睨まれた。
廉は軽く頭を下げ、再び正紀に向き直る。

「どーせ、オレは不細工ですよーだ」

「何だ。ようやく分かってくれたのか」

「……もう知らねー!」

フイッと正紀から顔を背ける。
それを見た彼は楽しそうに笑い、廉に向かって消しゴムを投げた。

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