素直じゃないあたしを温めて
第1章
しつこいアイツ
女子高生の朝は大変です。
「千奈(チナ)ー!着替えた?」
「バッチリッ!」
幼稚園に通っていて、今年6歳になる
千奈は片手でピースサインを作って、
小さなえくぼ出して笑った。
「おねぇちゃぁん、ボタン取れちゃったぁ」
「ええっ!?何処よ!?」
来ていた服をあたしの前に持ってきたのは、
晴季(ハルキ)。千奈の双子の弟。
「私がするから、お姉ちゃんはお弁当の続き作って!」
「ありがと!助かる!」
しっかり者の長女、美砂(ミサ)。
今年中二になった美砂は、
本当にしっかりしていて、
頼りになる。