素直じゃないあたしを温めて

ピンポーン



家のインターホンが鳴り、

あたしは起き上がる。



あたしは美砂が一旦帰ってきたのかと思い、

普通に鍵を開けたあと、ドアを開けてみると、


「!!」



目の前には少し怒った顔をした柳瀬が立っていた。



「何で此処来たのよっ!帰って!」


あたしがドアを閉めようとすると、

柳瀬はそれを止めた。



「カバン、忘れてたぞ」


そう言ってあたしにカバンを胸に突き付けた。



あ……そうだ、あたし忘れてた。



「家族は?」


「今日は皆帰って来ない」



あたしは俯いて、ボソッとそう呟くと



「じゃあ、中入って良い?」


「はぁっ!?何でよっ」


「話したい事があるし……それにお前の話も聞くから」



話したい事?

あたしの話?

なんのために。


なんのために此処に来てそうやって言いに来たの?


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