素直じゃないあたしを温めて

柳瀬はあたしが

「わかった」

ともなんとも言っていないのに、


ズカズカと中に入って行ってしまった。



「ちょ、ちょっと!!」


柳瀬はあたしのそんな声に無視し、

周りの見渡し始めた。



「へぇ、前はアパートの外しか見てなかったから分からなかったけど、部屋の中はこんな風になってるんだなぁ、結構広いな!!」


そう言って、柳瀬は勝手にクッションの上に座った。



「っていうか、どうやってアパートの中入ったの?」


「ん?茂里の後ついて行ったら普通に入れたけど。お前全然気付いてなかったなぁーっ」


そう言って一人で笑う柳瀬。

……というか、またあたしの後つけてきたって……


そのストーカー癖、直しなさいよ。



「まぁ、良いじゃん!カバン届けに来てあげただろ?」


「……」



相変わらず呑気な笑顔で

こっちを見る柳瀬。



ねぇ、なんでそんな顔出来るの?
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