素直じゃないあたしを温めて

「不思議だなぁ。最初は茂里は俺の事結構嫌ってたのにな」


「……うん、ハッキリ言ってかなり面倒だったし嫌いだった」


「うわぁ、なにそれっ微妙に傷付くわ。面倒って……」



ちょっとだけ落ち込んだ様子だったから、



「でも、その面倒臭さのおかげであたしは信じる事が出来たんだから、良かったんじゃない?」


「あーもうっ、んな可愛い事言うなよーっ、理性保てなくなるんだけどっ」



そう言って、柳瀬はあたしにまたキスをした。


「んっ!?」


今度は柳瀬の生温かい舌が入ってきた。


柳瀬は一旦あたしの唇から離し、


「なぁ、気持ちの整理がつかなくても、キスはしても良いだろ?」


と言ってきた。

そんな顔で言われたら……


断れないんだけど。



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