素直じゃないあたしを温めて
そう言ってあたしが教室に戻ろうとすると、
「待て」
と言って、柳瀬はあたしの腕をつかんだ。
「離してっ……!そんなにしつこくあたしに構って何になるって言うの?」
「は?」
「他の先生なんてとっくにあたしなんか見捨ててるよ。アンタ……あたしに構ってるだけ無駄だと思うけど。別に教師と仲良くしたいとかこれっぽっちも思ってないから」
そうよ、無駄。
だから、あたしなんかに
時間をかけてどうするのよ。
キャッキャ言ってくれる女子に
その時間をあてたらどうなの。
「俺は、茂里を見捨てたりしないよ」
「……そんな事言って、どうせ皆離れてく……」