素直じゃないあたしを温めて

「ねぇ、柳瀬。柳瀬って何歳なの?」


「はぁ!?俺、始業式の時にした自己紹介で言ったけど!?」



なんだよ、覚えてないのかよ。


まぁ当たり前か。

茂里はその頃俺の事なんて見てなかったもんな。



あの時のお前はすごく寂しそうな目をしていて……

“誰か助けて”

って、そんな風に訴えているように感じた。


それと、何故か俺と同じようなものを感じて……



そしたら、本当に似たような過去を持っていた。



茂里を意識し出したのは、

その後からだった。



「だって!その時は、どうでも良かったんだもん……柳瀬の事興味無かったし」


ははっ、微妙に傷付くぞ、茂里。

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