素直じゃないあたしを温めて
あたしが二人のやりとりをしばらく見ていても、
柳瀬はあたしの視線に気付く事無く、
女の子の方に笑顔を向けていた。
「……何か、ムカつく」
何よ、そんなにデレデレしちゃって。
あの子もあの子で、柳瀬にベタベタ触らないでよっ。
それから、あたしがあまりにもじっと
柳瀬達を睨んでいたせいか、
柳瀬はあたしに気付き、目が合った。
あたしは目が合っても無視し、
教室に入って行った。
相変わらず柳瀬は人気者。
容姿も良い上に、
生徒一人一人に優しいから皆から好かれている。
それは付き合う前と何も変わらないけど、
今では生徒に優しくしている柳瀬を見ると
腹が立ってしまう。