素直じゃないあたしを温めて

「茂里さん?どうしたの、そんな怖い顔して」


「へ?」



不意に声を掛けられて、顔をあげると、

同じクラスの山崎健人(ヤマザキケント)が居た。


ああ、気付かない内に

あたし顔に出ちゃったんだ。


「何でもないよ」


「そう。茂里さん、可愛いのにあんまりそんな怖い顔しない方が良いよ」


「え?」



吃驚した。

まさか可愛いとか言われるとは

思っても居なかったから。



「笑ってね、茂里さん」



そう言うと山崎くんはあたしの前から去り、

自分の席に着いてしまった。




ゾッとした。


さっきの……「笑ってね」

と言った後の山崎くんの不気味な笑み。



それを見た後、

寒気がした。




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