素直じゃないあたしを温めて

「あははっ、ほんとに寂しいよ。……じゃあ、琥珀チャンが相手になってくれる?……」



・・・



分かる、

……あたしには分かるの。


それに、少し前から気になってたから……




「どうして?……どうしてなの?」


「は?何が?」


きょとんとした顔であたしを見つめる拓未くん。



「どうして、どうしてそんな顔するの?」


「……?意味分かんねぇ」



笑ったり、冗談を言ったり、

女の人と電話をしている時や、

電話を切ったりした後、



拓未くんは、たまにすごく悲しそうな顔をする。

瞳が、悲しさで満ち溢れている時がある。



今、まさにそうだった。


あたしに冗談を言った後の拓未くんの瞳は……



「どうしてそんな悲しそうな顔するの?」


「あははっ……琥珀チャン、面白い事言うねぇ」


「ほら、今も……」


「……」
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