素直じゃないあたしを温めて

あたしには、何か理由があると思うんだ。




あたしも、辛かったから。

あたしも、悲しい思いを、寂しい思いを……

ずっとしてきたから。


たぶん、同じような顔をしていたと思う。


だから……



分かる気がするの。



何が……


何がそんな顔をさせるの?



「誰にも言わなかったら、自分の気持ちって無かった事になっちゃうかもしれない。けど……誰かに言えば、何か変わるかもしれない。あたしも、変われたんです。」


「……琥珀チャン?」


「自分から動き出さないと、何も変われないんです。逃げてばかりじゃ、変わる事なんて無いんです。泣いても良い、悲しんでも良い。でも、それを一人で抱え込んじゃ、駄目なんです。強がらなくても良いんです!」



「……」



拓未くんを見ていると、何故か過去の自分を見ているようで……

気付くと1人で熱くなっていた。

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