素直じゃないあたしを温めて
「何で?」
「まぁ、ちょっと色々あって」
「あの男?」
柳瀬が言うあの男っていうのはたぶん、拓未くんの事。
「違う違うっ、大丈夫だよ」
「そっか。さっきこっちに向かう時に会ったから」
「そう……あ、あたし着替えてくるから。先に向こう行って適当に座ってて」
あたしが更衣室に向かおうとした時、
「なっ!?」
後ろから柳瀬に抱き着かれた。
「ちょっ、何すんの!?」
「何って……ハグ」
「いやっ、そういう事じゃなくて!」
自分でも顔がだんだん赤くなっていくのが分かる。
不意打ちでこんな事されたら……