素直じゃないあたしを温めて
「誰か来たらどうすんのよっ馬鹿っ!」
「言っただろ、抱きしめてやるって」
あ、そっか。
そういえばそんな事も。
って……
「だからって此処でしなくてもっ……!」
「何だよ、嬉しいくせに」
柳瀬はそう言うとあたしの体をクルッと回し、柳瀬の方を向けた。
「なぁ……冗談でも山崎の所に行くなんて言うなよ……」
そう言ってあたしの頬を撫でる柳瀬。
まだ気にしてたんだ、それ。
なんか……嬉しい。
「嫉妬?それって」
「どうかな」
「柳瀬だって素直じゃないし」
「お前よりかは素直だし」
そう言い合ってからあたし達は
顔を見合わせて笑った。