素直じゃないあたしを温めて

「誰か来たらどうすんのよっ馬鹿っ!」


「言っただろ、抱きしめてやるって」



あ、そっか。

そういえばそんな事も。

って……


「だからって此処でしなくてもっ……!」


「何だよ、嬉しいくせに」



柳瀬はそう言うとあたしの体をクルッと回し、柳瀬の方を向けた。



「なぁ……冗談でも山崎の所に行くなんて言うなよ……」


そう言ってあたしの頬を撫でる柳瀬。


まだ気にしてたんだ、それ。
なんか……嬉しい。



「嫉妬?それって」


「どうかな」


「柳瀬だって素直じゃないし」


「お前よりかは素直だし」




そう言い合ってからあたし達は

顔を見合わせて笑った。

< 156 / 440 >

この作品をシェア

pagetop