素直じゃないあたしを温めて

二人だけしか居ないこの空間の
時間がまるで止まった様で。



二人で見つめ合って、だんだん顔が近くなる。


唇が触れるか触れないかくらいの距離で、



「愛してる」



そう静かに言った柳瀬は、

あたしにキスをした。


そう。それは自然な流れで。



此処がアルバイト先のカフェの休憩室なんだって事を忘れるくらいに。




好き、好き、好き、大好き。

こんな感情も、前までは持てなかったのに。


もしかしたら、持つことなんて許されないって思ってたのかもしれない。



でも、今は目の前に柳瀬が居るから。



あたし、欲張っても良いんだよね?幸せになっても良いんだよね?


もう、離したくない。

もう、どこにも行かないで──……

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