素直じゃないあたしを温めて

今日一日、色々と集中出来なかった。



何故か引っかかる。

たまたま見ちゃっただけ

ってのが、何か引っかかっちゃう。



……何故か、怖い。




「茂里っ!」



名前を呼ばれて振り返ると、

こっちに向かって走ってくる柳瀬の姿が見えた。



「大丈夫か?何か今日いつもより元気無いけど。気分悪いとか?」


「あ、うーん……何か、山崎くんにバイトの事バレちゃってるみたいで」


「は?何それ」



急に柳瀬の顔つきが変わった。



「たまたま見ただけらしいんだけど……ちょっと、怖いっていうか何て言うか……。まぁ黙っててくれるらしいんだけどさ」


「何かあったら俺に言えよ。ごめん、ちょっと急いでるから行くな」


「あ、うん。ありがと」



柳瀬は職員室に向かって走って行った。


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