素直じゃないあたしを温めて
「なっ……なんで……?」
どうして、どうして此処に……
何なの、その不気味な笑みは……
「今からバイト?」
そう言って、だんだんあたしに近付いてくる山崎くん。
あたしは山崎くんが近づいてくるたびに後ろに下がった。
その内に窓際まで追い込まれてしまう。
「やだなぁ……そんなに逃げないでよ。傷付くじゃんか」
山崎くんはそう言うとあたしの肩に手を置いた。
あたしは怖くてビクッとなった。
山崎くんは、勉強熱心で、いわゆるガリ勉だった。
いつも授業を真面目に聞いてるし、
確か学年トップだったって、噂もある。
だけど今の彼は、「勉強熱心な男の子」
には、見えなかった。