素直じゃないあたしを温めて
「もし、学校に茂里さんと柳瀬先生がそういう関係だって知れ渡ったら、先生辞めさせられちゃうだろうねぇー……?」
そう言ってグッとあたしに顔を近付けてきた山崎くん。
「そっ、その事だけは……黙っててくれないかな……」
駄目……
絶対、絶対に駄目。
柳瀬が辞めるくらいなら、
あたしが辞めたら良いんだから。
柳瀬、前に言ってたもん。
このクラス全員、卒業まで見届けるのがすごく楽しみだって。
なのに、今辞めさせられるなんて……
そんなの、絶対に駄目っ。
「えぇ~どうしようかなぁ」
「おっ、お願い!言わないで……」
「じゃあさ、どっちか選んでくれる?」
「へ……?」
そう言って少しあたしから離れて、
ニコッと笑った。
「選択肢は、二つ」