素直じゃないあたしを温めて
意味分かんないっ
意味分かんないそんなのっ!
「どっちにする……?まぁ、今の様子からしたら俺と付き合うのがすごく嫌そうだね」
「……」
「じゃあ、“自分”をとるか、“大切な人”を取るか、だね」
自分をとるか、大切な人を取るか……?
…………
そんなの────……
「まぁ、俺と付き合ったら絶対に俺を大切な人にさせてみるけどねっ。俺、超優しくするよ?」
そう言って山崎くんはまたあたしに近付いてきた。
今度はあたしは足がすくむことは無く、
横にするりと避ける事ができた。
「まぁ、今すぐに返事欲しいとは言わないよ。でも俺もそんなに気長じゃないから……明日までね、明日。明日までに決めておいて?じゃあね」
そう言うと彼はひらひらと手を振り、教室を出て行ってしまった。