素直じゃないあたしを温めて
まだ4月半ばの夜の外は、
少し肌寒い。
あたしは慣れない
ヒールを履いた足を一生懸命
前に出しながら、向かった。
キャバクラや風俗店、居酒屋、
いかにも怪しそうな占いをやっている店などが
並ぶこの商店街には、
よっぱらった人達や、
チャラチャラした人ばかりが集まる。
未成年が来るような場所じゃない事は目に見えて分かる。
「こんばんはぁ」
「あ、ミズキちゃん!準備が出来たらすぐあそこのお客さんについてね。ヨロシク~」
この店のNo.1のシオリさんが
あたしの肩をポンと叩いた。