素直じゃないあたしを温めて
最後の決断
自分の気持ちが整理出来ないまま、
あたしはバイトに向かった。
足がふらふらして、上手く歩けない。
「いってぇなっ!!前向いて歩けこのガキが!」
ぶつかってしまった、金髪の男の人にそう怒鳴られた。
そうだよ、あたしはガキ。
自分の気持ちも分からないガキ。
守りたいものは何かと自分に聞いても、
答えが出ない、
とてつもなく馬鹿なガキ。
最低なガキ。
Warmthに着くと、裏で誰かの声がした。
そんなの気にしないで入ろうかと思ったけど。
あたしはつい立ち止まってしまった。
だって、拓未くんの声がしたから。
それに、女の人の声もした。
拓未くん、もうやめてって言ったのに、
まだやめてないの……?
あたしの気持ちは伝わらなかったの?