素直じゃないあたしを温めて

「良かった、もう元気なんですね」


「だから心配すんなって~!あ、もしかして聞いてた?さっきの会話」


「すみません……あ、好きな人居たんだねっ拓未くん」


「あー、うん」



拓未くんはすこし照れたようにそう言った。



「その人と、上手く行くと良いですね」


拓未くんは一度俯いてから、そうだねといつもの笑顔で笑った。



「てか、琥珀チャン、顔色すっごい悪いよ?琥珀チャンこそ大丈夫なの?」


「ああ、はい、大丈夫で……」



クラクラする、頭が……

考えすぎたせいかな……



「わっ」


こけそうになったのを拓未くんが支えてくれた。



「ごめんなさい、あたし……」


「大丈夫か?……無理すんなよ?」


今日は本当はあたしが拓未くんを心配する予定だったのに。逆にあたしが心配されちゃってる……

あたしは黙って頷くと、


「何か、あった?」


って優しい声で聞いてくれた。
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