素直じゃないあたしを温めて
あたしは別室で着替え、
髪の毛も整え、
先輩から教わった濃いメイクをしてから
シオリさんに言われたお客さんの所に行った。
ハゲた頭に、いかにもエロそうなオヤジ。
どこかの社長か何かでお金がかなりあるのか、
さっきからお酒を頼みまくっている。
こんな所でお金使うなら分けてよ、
なんて思ってしまうあたし。
「ミズキでぇす、よろしくねぇ」
自分なりに研究した甘い声を出してみる。
自分でも何やってるんだろって
馬鹿らしくなってくる。
それと同時にそんな自分に吐き気が襲ってくる。
「おお、ミズキちゃんか。最近入った子かな?」
「そうでぇ~す。これからいっぱい指名して下さいねっ?」
先輩に教わった接客の仕方で
なんとか頑張ろうとするあたし。