素直じゃないあたしを温めて
「ふふふ、そう言うと思った。茂里さんは優しいから」
山崎君は不気味な笑いをしながら
あたしに近付いて来た。
「じゃあ早速、先生に別れ話をして貰おうか」
「……」
「俺の前で」
「え?」
山崎くんの前で……?
「俺の前で先生に“あたし、山崎くんと付き合うから!”なーんて言ってくれたら超気持ち良いだろうなぁーっ」
「っ……。どうしても……そうじゃなきゃ駄目?……山崎くんの前じゃなきゃ、駄目?」
「はぁ?何言ってんだよ。俺に刃向ったりしたら、バラすぞ?」
「わっ、分かったっ」
さっきの山崎くんの目がすごく怖かった。
見たことの無い表情で……
「そうだねぇ、まぁ後一時間待ってあげようか。
今は17時だから……18時まで、先生と茂里さんは恋人のままで居て良いよ」
「……」