素直じゃないあたしを温めて

あたし達は何も話をしないで屋上に向かった。



屋上は少し風がきつく、
あたしの長い髪の毛がなびいた。



あたし達はフェンスにもたれ、二人で並んで座った。




「屋上、初めて来た」


「立ち入り禁止だから鍵閉ってるしな。バレたらまじでやべぇんだけど」


「まぁ、その時はその時だよ」


「はは、そうだな」



柳瀬はふわっと、優しい笑顔で笑った。




このまま、この時間が止まれば良いのに。



この世界の時間が……





止まれば良いのに。
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