素直じゃないあたしを温めて
「ありがと、美砂」
「頼りない妹だけどっ……いっぱい相談してよ?話聞くくらいなら出来るし!」
美砂はそう言うとガッツポーズをした。
「はは、ありがとう」
でも、もう皆に迷惑はかけられないよ。
だって、あたしの問題なんだもん。
もう、誰かを巻き込みたくなんか無い……
あたしが決めたことなんだから、
ちゃんと前を見て進まないと。
もうあたしと柳瀬は生徒と教師。
そう割り切れる、関係。
出会わなければ……
恋人同士なんてならなかったのにな。
じゃあ、最初から出会わなければ良かったのに。
「……嘘、出会えて良かった」
「へ?お姉ちゃん何か言った?」
「ううん、何でも無い」
あたしは美砂をギュッと抱きしめた。