素直じゃないあたしを温めて

しばらく女子からの質問攻めをくらい続けてから、

学校のチャイムが鳴り、


少しして柳瀬が教室に入って来た。



いつもなら、入って来た時に
あたしの顔を見てニコッて微笑んでくれるのに、

今日はしてくれなかった。



……当たり前だよね。

何浮かれてんだろ、あたし。




SHR中、柳瀬は一度もあたしの事を見なかった。



少し胸が痛いけど……
それで良いの。


そう、そうやってあたしの事を無視してくれて良いんだよ。




……なのに。

そう頭では思ってるはずなのに。




胸が締め付けられるような痛みでいっぱいになった。



あたしはまた涙が出そうになるのを堪えて俯いた。



もう柳瀬の事は忘れるって決めたのに。
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