素直じゃないあたしを温めて

「俺、すげぇ汚いやり方だったよな……でも、どうしても茂里を取り返したくて」


「……柳瀬……」


「俺、かっこわりぃな」


「……ううん。ありがと」



あたしも柳瀬をギュッと抱きしめた。



「その、動画って……」


あたしは床に置いてある柳瀬の携帯を指さしてそう言った。



「ああ、これ。動画撮ったなんて嘘だよ」


「へっ……?」


「茂里が他の男としそうになる所なんて撮りたくねぇよっ」


「……っ」




あたしはまたその柳瀬の言葉を聞いて涙を流した。



「山崎には悪いけど……お前は絶対誰にも渡したくねぇ」

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