素直じゃないあたしを温めて
もうすっかり暗くなった道を、
あたしと柳瀬は二人並んで歩いた。
隣には柳瀬が居る。
それがすごく安心して、心地よかった。
「俺のためだったとは思わなかったなぁ」
柳瀬がポツリとそう呟き、
「だって、クラスの卒業見届けたいって」
「ああ……そんな事覚えてくれてたんだ」
「うん」
しばらく、沈黙が続き、
何を話そうか考えていると、
「まぁ、俺にとってはクラスの卒業を見届けるよりも茂里の方が大事だけどなぁ~っ」
そう言ってあたしの髪の毛をクシャッとした。