素直じゃないあたしを温めて

あたしは何度、この人に救われてきたのだろう。



あたしは助けて貰ってばかり。

あたしも何か柳瀬の為にしたい。
柳瀬の役に立ちたい。
柳瀬を助けたい。



「あたし、柳瀬に何にもしてあげられてないね……」



そう言ったあたしをきょとんとした顔で数秒見つめる柳瀬。


すると、


「あははははっ」


「なっ、なんで笑うの?!意味分かんないんだけどっ」


「俺は茂里がそばに居ればそれで良いよ」


「……ほんと?」


「ほんとほんと」



そう言ってまた柳瀬はあたしの髪の毛をクシャっと撫でた。
< 224 / 440 >

この作品をシェア

pagetop