素直じゃないあたしを温めて
あたしは何度、この人に救われてきたのだろう。
あたしは助けて貰ってばかり。
あたしも何か柳瀬の為にしたい。
柳瀬の役に立ちたい。
柳瀬を助けたい。
「あたし、柳瀬に何にもしてあげられてないね……」
そう言ったあたしをきょとんとした顔で数秒見つめる柳瀬。
すると、
「あははははっ」
「なっ、なんで笑うの?!意味分かんないんだけどっ」
「俺は茂里がそばに居ればそれで良いよ」
「……ほんと?」
「ほんとほんと」
そう言ってまた柳瀬はあたしの髪の毛をクシャっと撫でた。