素直じゃないあたしを温めて

「えっと、その……」



あたしは何を言って良いか分からず、もぞもぞしていると、



「これからは、友達でね」


「へ?」


「友達……なら別に良いだろ?」


「……うんっ」



あたしは笑顔で頷いた。




「俺も、早く大切な人見つけるわ。琥珀達みたいな関係、いつか俺も誰かと作りたいって思うよ」


「……うん、応援してる」



あたしがそういうと、山崎くんはニコッと笑い、

「じゃあな」と言って先に教室に入って行った。




申し訳ない気持ちはすごくある。

けど……安心した。



これからどうやって山崎くんと話したら良いのか、悩んでいたから。


山崎くんは普通に話しかけてくれたし、あたしの気も楽になった。




やっぱり、本当は良い人なんだよね、山崎くん。
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