素直じゃないあたしを温めて
「琥珀ちゃーん!」
あたしが教室に入るなり、またあの日のように女子達に囲まれた。
「聞いたよー!山崎と別れたんだって?」
「超早くなーい?約一週間ってとこ?」
「琥珀ちゃんって意外と遊んじゃうタイプなのー?」
「うわあ!それって、なんかギャップありすぎてやばいんだけどーっ!」
「じゃあさ、他に色々男知ってんの!?私にも紹介し──」
「はい、さっさと席につけー」
あたしが女子達に質問攻めされている時に
丁度柳瀬が教室に入って来た。
柳瀬があたしに少しニコッと微笑んだ。
この人は本当にバレたらヤバいのに、
学校で平気にそういう事をする。
前からそうだった。
でも……そういう所も柳瀬の良い所だってあたしは思ってる。