素直じゃないあたしを温めて
「じゃあさ、俺だけのメイドだと思ってやってよ」
「は?」
「茂里はさ、皆に見られるから嫌なんだろ?」
「……柳瀬に見られるのもヤダ」
あたしはそう柳瀬に言い放った後、スタスタと先を歩き始めた。
「じゃあ、俺執事になるー」
後ろから大きい声で叫んだ。
「はぁ?!ってか、声おっきいから!」
あたしはまた、柳瀬に近付き、
「意味分かんない、何がしたいの?っていうか、何が言いたいの?」
「茂里をやる気にさせたいのっ!」
子供みたいにそう言う柳瀬にあたしは笑ってしまった。