素直じゃないあたしを温めて
ちょっと、新山さん。
なんであたしより先に柳瀬に話を?
でも、新山さんなりに気を遣ってくれていたのかもしれない。
だってあたし、前まで元気無かったから。
新山さんってすごく気を遣える人なんだよね……
【意味分かんないし。何それーっ!妹とか弟も連れて行くから、めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど…】
【え、何?照れてんの?可愛いなぁ】
【もーっ、馬鹿にしないでよ!ほんと、今日は何なのよ!あたしをメイドにさせたがったり、からかったり!】
【そんな怒んなよー。俺、前から茂里の家族に会いたいって思ってたし良い機会じゃん】
この人はあたしが何を言っても食い下がってくるから
あたしは諦めて、
【あんまり余計な事言わないでよ?じゃあね、バイト頑張ってきまーす】
【りょうかーい。頑張れ、茂里!】
あたしは柳瀬のメールに少し笑みがこぼれ、
優しい気持ちになった。
あたしは携帯を閉じて、ポケットにしまった。
今日一日頑張ろうって思わせてくれる、柳瀬のパワーはすごいって本当に思うよ。
この時はまだ先の事なんて考えて無かった。
……だから、
これからのあたし達に降りかかる
事は予想もしてなかった。