素直じゃないあたしを温めて
あたしの番
「かんぱーいっ!」
新山さんの声でグラスを上に持ち上げ、全員で乾杯をした。
「新山さん、これからもよろしくお願いしますっ」
あたしは新山さんの所に行き、
頭を下げて挨拶をした。
「よろしくね」
ニコッと微笑んでくれた新山さんを見て、
ああ、やっぱり少し柳瀬に似てるなって思った。
あたしはまた頭を下げて、その場を離れ、
拓未くんにも色々とお礼を言おうと思い、辺りを見回すと、
「あはははっ」
「ちょっと琥珀チャン、何で笑ってんの!?」
仲良さそうに、千奈と晴季と一緒に遊んでいたから笑えてしまった。
「だって、拓未くん子供と遊ぶイメージとか無くってっ……ふははっ」
「いつまで笑ってんだよー、子供は好きだよー。可愛いし」
そう言って拓未くんは二人の頭を撫でた。
千奈と晴季を見つめている拓未くんの瞳が優しくて、あたしの心は温かくなった。