素直じゃないあたしを温めて
いや、何でも無い事ないだろ、
と思ったけど、
聞くのは面倒臭かったから流す事にした。
「後は二人で楽しくね!千奈達の所行ってくるねー」
美砂はそう言って、柳瀬に頭を下げてから機嫌良さそうに走って行った。
「やっぱり、姉妹だね」
「へ?」
「ちょっと、似てる」
柳瀬はそう言うと、
ふふっと笑った。
「そう?全然似てないと思うけど。美砂って誰とでもすぐに仲良くなれるし、明るいし、良い子だし。人見知りなあたしとは大違いだよ」
「へぇ、茂里って人見知りなんだぁ?その割には初めは俺にキッツイ言葉ばっか浴びせてたよね」
「うっ、うるさいっ!」
あたしがプイッと顔を背けると、
柳瀬は後ろから「ごめんって」と頭の上にポンと手を乗せた。
「とりあえず、美砂ちゃんに気に入ってもらえたみたいで良かった」
そんな柳瀬の言葉を聞いて、あたしは振り返ると、
柳瀬は優しくあたしに微笑んだ。