素直じゃないあたしを温めて

いや、何でも無い事ないだろ、
と思ったけど、

聞くのは面倒臭かったから流す事にした。



「後は二人で楽しくね!千奈達の所行ってくるねー」


美砂はそう言って、柳瀬に頭を下げてから機嫌良さそうに走って行った。



「やっぱり、姉妹だね」


「へ?」


「ちょっと、似てる」



柳瀬はそう言うと、
ふふっと笑った。


「そう?全然似てないと思うけど。美砂って誰とでもすぐに仲良くなれるし、明るいし、良い子だし。人見知りなあたしとは大違いだよ」


「へぇ、茂里って人見知りなんだぁ?その割には初めは俺にキッツイ言葉ばっか浴びせてたよね」


「うっ、うるさいっ!」



あたしがプイッと顔を背けると、
柳瀬は後ろから「ごめんって」と頭の上にポンと手を乗せた。



「とりあえず、美砂ちゃんに気に入ってもらえたみたいで良かった」


そんな柳瀬の言葉を聞いて、あたしは振り返ると、
柳瀬は優しくあたしに微笑んだ。
< 248 / 440 >

この作品をシェア

pagetop